監督と並び称されるプロ野球の捕手の重要性
プロ野球の各ポジションの中でも、捕手(キャッチャー)は特別に重要な存在です。時にグラウンド上の監督とも呼ばれ、チームを勝利に導くための大きな役割を担います。
攻守が明確に分かれる野球にあって、一人逆方向からグラウンド全体を見渡せるのが捕手の最大の特徴です。全選手の中で最も広い視野を持つため、状況に応じて守備陣形の指示を出すなど守りの指揮を執ることが求められます。
ピッチャーの投げる球種をサインで指示することをリードと言いますが、リードは味方ピッチャーの持ち球はもちろん、相手打者の強みや弱点を全て把握しておく必要があります。
プロ野球のデータ分析が進化しても、試合の現場では捕手の頭に溜め込まれた記憶力が頼りです。相当な記憶力の持ち主でなければ、プロ野球レベルの捕手は務まりません。知的レベルの高さも捕手独特の要素と言えます。
相手打者だけでなく、相手監督との駆け引きも捕手が担う重要なポイントです。ランナーが出た時、相手の監督が送りバントを選ぶのか、盗塁を選ぶのか、ヒットエンドランを仕掛けてくるのかなどによって捕手のリードは全く変わってきます。各対戦チームの監督のサインや表情、思考パターンを材料に、深い洞察力で駆け引きに勝たなければいけません。
当然ながら、キャッチングやスローイング、打者としてのバッティングといった技術面も高い水準が求められます。このように、捕手は背負うべき役割が多様で、そのほとんどがチームの勝敗に直結していることから、監督と並び称される重要なポジションと言えるのです。捕手出身で優秀な監督が多いのも、現役時代の経験則からでしょう。
打てる捕手がいるチームは、優勝に近いチームです。